VTuberに対し「性的」 全国フェミニスト議員連盟が各所へ抗議
千葉県松戸警察署は、2021年7月から松戸市のご当地Vtuber「戸定梨香(とじょうりんか)」による交通安全啓発活動を開始しました。
これに対し、「全国フェミニスト議員連盟」が抗議。
キャラクターについて、
「セーラー服のような上衣で、丈はきわめて短く、腹やへそを露出しています。体を動かす度に大きな胸が揺れます。極端なミニスカートで、性的対象物として描写し、かつ強調しています」
「公共機関である警察署が、女児を性的対象とするようなアニメキャラクターを採用することは絶対にあってはならない」
との内容で、謝罪と動画の使用中止、削除を求める公開質問状を、千葉県警本部、松戸警察署、松戸東警察署、千葉県、松戸市、松戸市教育委員会宛に提出しました。
結果、9月10日に千葉県警はPR動画を削除する流れになりました。
戸定梨香の活動縮小
この騒動をきっかけに、複数のイベントが中止となり、その活動が停滞することとなりました。
戸定梨香は、松戸市のPR活動を行ってきたご当地VTuber。その活躍のチャンスを摘み取られることとなりました。
また、彼女が「性犯罪誘発の懸念がある存在」とされてしまいました。
削除を求めたことを警察署の責任として転嫁
抗議文では、議員の名前を連ねて謝罪、動画の削除、使用中止を要求していました。
しかしネット上で物議を醸した途端、議連は
「提出した文書は、公的機関としての認識を問うたものです。当該動画の掲載も、削除も、ともに千葉県警によるものです」
と、警察署側に責任転嫁をしています。これでは議員という立場としては、あまりにも責任感に欠けると言えるでしょう。
公開質問状を無視、ツイートは続ける増田氏
2021/9/12に、大田区議会議員のおぎの稔議員らが、今回の事案を問題視して公開質問状が送られました。しかし増田氏からは「個別の回答には答えられません」とのツイートがあったのみ。それ以来、質問状は無視され続け、回答はありません。
それどころか、個人的なツイッターでの発言は活発に続いています。ツイートをする時間はあるのに、質問状に回答できないというのは言動に整合性がとれません。
議員同士の話し合いを無視するというのは、やはり議員としての資質に欠けると思われても仕方ないでしょう。個人的な感想ですが、何がやりたかったのかわかりません。
「性的だ」は、一方的な感想
「性的な対象に見える」「性犯罪誘発の懸念すら感じさせる」というのは、フェミ議連の一方的な感想です。一応の根拠として、「(スカート)丈が短い」「へそを露出」などと列挙していますが、そのようなキャラクターは、女児向けアニメを含めてごまんといます。
これでは戸定梨香だけを取り上げて叩く根拠とはなりません。女児向けアニメであるプリキュアシリーズなどは週間アニメであり、視聴者層も低年齢。全国で映画を上映し、人目に触れる機会は遥かに上です。
そのため「警察が起用するから問題」というのも批判の根拠としては材料に欠けます。であるならば、戸定梨香個人ではなく、2次元の女性キャラクター全体を批判すべきでしょう。
唐突に関係各所へ抗議
議員という立場は一定の権限があります。そのような立場で、事前の相談や話し合いなどなく、唐突に抗議文を、強い口調で発表するのは不適切と取られても仕方ないように思います。
まずは所属事務所や警察署の広報担当部署などに問い合わせし、それで解決しなかった場合に、仕方なく公開質問状という形で世論を巻き込んで問うべきでしょう。
所属事務所代表も、「私たちに最初に相談して、話し合えば良かったと思う」と発言しています。それが議員というより、社会人として当然の物事の進め方ではないでしょうか。
話し合って物事を決めていくのが民主主義です。増田かおる氏は一般人でなく議員です。やはり議員としての資質に問題があると思われても仕方ないでしょう。
言ったもの勝ち
今回の件に限らずですが、これまであった数々のフェミニスト関連の炎上案件は、「言ったもの勝ち」になることが非常に多いです。PRに起用しても、炎上騒ぎになっては逆効果となります。「火種が小さいうちに、とりあえず取り下げよう」と考えて萎縮してしまうのは当然です。
過去、地域PRや献血キャンペーンなどに2次元キャラクターが起用された際、抗議活動が起き、活動を取り下げた例が幾度となくあります。
これが続く限り、二次元キャラのクリエイターは萎縮してしまい、自由な表現ができず、萎縮してゆきます。またそのキャラクターの活躍の場も縮小していく方向へ進むでしょう。
日本国憲法第21条に「表現の自由」が規定されています。創作活動は自由です。性表現などでこれが曖昧に規制されることがありますが、これを過度に振りかざし、叩きまくるのは憲法に反すると言えるでしょう。
だからこそ、民主主義の原則に沿って、まずは話し合って決めていくべきなのです。
「言うだけ言って、反論されたら無視」では、あまりにも無責任です。ましてや議員という立場でそれは大問題でしょう。
創作活動者、その視聴者としてできること
今回の一見は、増田かおる氏の問題行動だけの問題ではありません。こういった炎上騒動を野放しにし続けると、前述の通り創作活動をしている人やそれを起用する側、関係者たちはどんどん萎縮していってしまいます。
そのため、今回の一件をきっかけに、フェミ議連、特に代表の増田氏を議論の場に呼び、しっかりと議論の末、答えを出すべきです。
もし本当に性表現に問題があるなら降板させるべきですし、そうでないなら間違いを認めるべきです。
また、憲法に定められている「表現の自由」に反することであり、その観点でもうやむやにするべきではありません。
また、表現に対して抗議するなら、相応の責任を負うことを示すべきです。毎回「言ったもんがち」の状態はあまりにも不健全です。
今回、戸定梨香とその事務所は、一通の抗議文で活躍のチャンスを奪われてしまいました。
今回の一見ををはっきり決着させることで、今後のコンテンツ制作者の未来を照らすきっかけとすべきです。