「新卒で入社した本田技術研究所をたった3年で退職しました - チャレンジして失敗を恐れるよりも、 何もしないことを恐れろ。」
https://honda.hatenadiary.jp/entry/2018/09/17/175609
「下請け丸投げばかりで技術が見につかない」
という指摘については、職場や部署によるのかもしれません。
非常に大きな会社なのでおそらく部署により文化は違うでしょう。
私の職場で盛んに行われていたのは、コスト削減のための施策でした。
ちなみに新技術についての提案をすると、大抵疎ましがられます。
複数のサプライヤーで同じ機能の部品を作らせ、価格を競わせ値切るというものです。
これはもちろん商売の基本であり、どの企業でもやっていることではあるでしょう。当然必要な業務です。しかしこの作業の割合が増えるほど、なんだか虚しくなるのではないでしょうか。
近江商人の教えに「三方よし」という言葉があります。
買う方も、売る方も、世間的にも幸福になれる商売。これが良いという教えです。
またホンダにもかつて、「買う喜び、売る喜び、創る喜び」という標語がありました。
(今でもホームページには乗っていますが、社内ではめっきり聞かなくなりました)。
近江商人の教えに共通するところがあるでしょう。
人は他人に貢献することで幸福感を得ます。他人が苦しむことでは、例外はあれど得られません。今のホンダに、「創る喜び」があるかというと、私個人としては疑問符がつきます。
また因果応報という言葉もあり、無理な要求を繰り返しヘイトを生み出せば、その結果は自らに降りかかります。
真に望むのは、仕入れ部品の値切りではなく、新しい価値を生むこと。それにより世間に貢献すること。
こう考える技術者は、果たして少数派でしょうか。