「ASIMO開発終了」報道 ホンダ「ヒューマノイドロボの開発は続ける」 - ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1806/28/news082.html
ひとえに、ボストン・ダイナミクスのロボットにお株を奪われた形でしょう。
ドイツのメルケル首相とASIMOが、ボール蹴りごっこをした愛らしい姿はよく知られています。
しかしボストンダイナミクスのロボットは二足歩行どころか、当時でもパルクールアスリート並みの身体能力を有していました。
ただこれは、ホンダが企業として成熟した証でもあります。
良く言えば、挑戦する必要がないほど既存の事業が安定している。
悪く言い換えれば挑戦する機会がないということです。
ASIMOやホンダジェットの開発が始まった当初のホンダは、今のテスラやボストンダイナミクスのポジションであったわけです。
まだまだ活気があり、変化に富み、革新的アイデアでも許容される時代。
これはいいかえれば、革新的な事をしなければ生き残れなかったわけでもあります。
新規参入組は、大手と同じものを作っても売れない。だから挑戦するしかない。
ホンダに限らず、どの企業でもそうです。
現在は企業として成熟し(斜陽産業になりかけていますが)、社員数も莫大。下手に新しいことをやって既存事業を傾けるわけにはいかないのです。
社員の多くには家族がおり、それぞれに生活があり、収入を絶やすわけにはいかない。
そんな中、革新的事業、アイデアというのは、社員の生活にとっての大きなリスク因子なのです。
私も何度となく、「新しいことは提案しないでくれ」といった趣旨のことを繰り返されました。
私の職場にも、以前は基礎研究を専門にやる部署がありましたが、今は消滅。
別の記事でも書きましたが、以前のように基礎研究を盛んにできている印象はほとんどありません。
「胸のすくようなホンダらしいワクワク感」は、RC211VのV型5気筒エンジン以来ないように思います。
古い企業は保守的になりがちです。これは一概に悪いことではないのですが、やはり何事も「中庸」が大切。
既存事業にしがみつきすぎても、新しいことに手を出しすぎてもうまくいきません。
うまくバランスを取った経営が企業を存続させます。