退職した技術者が語るホンダの問題 迫りくる末路 ~終焉は近い?就職して良い?~

【ホンダ】発達障害のトラブルでホンダを休職しました 〜メンタルの限界まで働くな〜

私について

発達障害(ADHD、ASD)と、それを原因として、双極性障害を発症しました。

そんな私が、ホンダという会社で勤務を続けることができず、退職せざるを得なかった時のエピソードを共有したいと思います。

いま、発達障害の悩みで、職場での困難を感じている方に、ぜひご覧頂きたいと思います。

職場でおきたこと

私は発達障害由来の感覚過敏(視覚・聴覚)を持っています。

そのため、職場で他人の会話や物音が聞こえたり、人が通ったりするたびに集中が途切れ、作業が中断してしまいます。

また、それが繰り返されると精神的にどんどん消耗していってしまい、ダウンしてしまいます。

そのため、毎日フレックスタイム制を活用し、誰も居ない6:30に出社していました。

騒音がひどくなる8時半ころから食堂へ移動して仕事をするのですが、そこもじきに騒がしくなってきます。

そうなると、仕事をする場所がなくなり、騒音と刺激で体調が悪化。

休憩室や、人気のない空間でうずくまる毎日でした。

ストレスチェックの結果も危険な状況で、産業医(心療内科専門)の先生との定期的な面談を受けていました。

発達障害の悩みについても何度も相談し、合理的配慮(後述)をいただけるよう、上司との三者面談も何度もありましたが、特段配慮を受けることはできませんでした。

産業医のアドバイスで、感覚過敏対策の耳栓と、目隠し用の衝立てをさせてもらっていましたが、話しかけられているのに気づかないなど根本解決にはなりませんでした。

そして唯一の頼りだった産業医の先生が、なぜか突如解雇されてしまい、事業所に心療内科専門医が不在に。そのため孤立無援の状態になってしまいました。

それからメンタルヘルスが急激に悪化。ストレスと、成果が出ない自責の念でダウンしてしまい、休職に入りました。

休職中も、面談のたびに静かな職場での勤務を希望していましたが、聞き入れてもらえませんでした。

さらにコロナ禍に入り、大半の企業でリモートワークが推進される中、

「復職するならいま、週5で出てくるように」と言われるようになりました。

私の勤めていた事業所においても、コロナ感染クラスターが発生している状況でしたが、それが復職の条件との一点張りでした。

持病の喘息発作があることから、万が一コロナに感染すれば重篤になることを説明するも、聞いてもらえませんでした。リストラのようなものだったのかもしれません。

また、会社常勤の心理カウンセラーと相談したいと持ちかけるも、面談は不可との返答でした。

最後の望みをかけて、発達障害の薬物治療に取り組むも、副作用が強すぎてダウン。

まさに孤立無援、絶望を感じました。

これらのことから心療内科の主治医と相談し、復職は不可能と判断。退職しました。

私がホンダに希望すること

1,ホンダで発達障害に苦しむ人達へ救いの手を

私が努めたホンダの職場には、私の他にも、私と同じく発達障害の従業員が多数いると聞いています。

彼らが苦しむことなく、生産的に仕事ができる環境が用意されることを望みます。

合理的配慮の考えを取り入れた法律「障害者差別解消法」とは?

2016年に、「障害者差別解消法」が施行されました。

その条文には、

「障害を理由とした不当な差別的な取り扱いを禁止するほかに、障害者から社会的障壁の除去の意思表明があった際に、過重な負担にならないときは必要かつ合理的な配慮をするように努めなくてはならない」

とあります。

この条文にある「障害」には、発達障害、精神障害も含まれています。

この法律はすべての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指すために、2016年4月1日に施行されました。

障害者権利条約(障害者の権利に関する条約)では下記のように述べられています。

「『合理的配慮』とは、障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう」

そして、この障害者差別解消法では、これに付随して行政機関等及び事業者に対し、その事務・事業を行うに当たり、個々の場面において、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、社会的障壁の除去の実施について、必要かつ合理的な配慮(「合理的配慮」)を行うことを求めています。

私の場合は、感覚過敏で、他人の会話や物音、人の気配が苦手で、精神的に消耗してしまい、所属した職場での勤務が極めて困難でした。

そのため「合理的配慮」として、静かな職場での勤務を希望しました。

しかし、静かな環境の提供や部署異動を含め、全て聞き入れてもらえませんでした。

これらのことから、ホンダにおいても、発達障害、精神障害を持っていても、差別されることなく、他の従業員と同等に扱われ、機会の均等が配慮されることを望みます。

2,ホンダ全体での差別の解消を

同時にホンダの私の職場以外、すべての部署において、発達障害・精神障害に苦しみながら、合理的配慮が受けられない状況の人たちにも、同じく平穏で生産的に仕事ができる環境が用意されるべき、という風潮ができてほしいと思っています。

2010年代のfit大量リコールの頃には、四輪の研究所にて精神障害が多発し、自殺に追い込まれた人たちも続出したと聞きました。

新卒で入社した本田技術研究所をたった3年で退職しました - チャレンジして失敗を恐れるよりも、 何もしないことを恐れろ。

彼らがその精神障害に対して、合理的配慮を受けられていたとは思えません。

SDGsが叫ばれる中、発達障害・精神障害者へ合理的配慮がなされないことは、ホンダという企業の評価に悪影響を及ぼします。

発達障害・精神障害当事者に安全な環境と均等な機会が与えられず、差別が続き、企業として悪評が立つことは、ホンダが大好きな私としては、決して望むことではありません。

そのため、これらの改善のため、今後私にできるアクションをとっていきたいと思っています。障害者差別がなくなりますように。このブログエントリーを投稿することが、その第一歩です。

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