財政破綻論

朝日新聞の残念な間違いまとめ① 榊原謙

繰り返される、間違った貨幣観

度々繰り返される「日本はこのまま財政破綻する」という財政破綻論者たち。今回は下記の寄稿の誤りを指摘してゆきます。

日本の財政は大丈夫? 債務のGDP比、第二次世界大戦直後より高く:朝日新聞デジタル

筆者

榊原謙

朝日新聞経済部、財政研究会。1981年生まれ。

間違いを訂正してゆきます

>過去最大規模の補正予算案が26日に閣議決定され、2021年度末の国債残高が1千兆円を超える見通しになった。コロナ禍が長引くなか、与党が衆院選で掲げた様々な国民への現金給付策が盛り込まれるなど政府に対する歳出圧力は一層強まり、歯止めを失っている感がある。財源の多くは国債で、当初予算分と単純合算した新規発行額は約65兆円。前年の108兆円に次ぐ過去2番目の規模となった。

これの何が問題なのか、理論だてて正確に説明できる人はいないかと思います。

>岸田文雄首相や与党がこだわる「分配」施策が盛り込まれ、今回の補正予算も規模が大きく膨らんだ。

逆に足りないくらいです。

今回の予算は殆どが菅政権時代に成立した予算がほとんどです。

コロナ禍で苦しむ国民を救済するには、あまりにも足りなすぎます。

>国債残高は1千兆円の大台に乗る見通し。単純に割れば国民1人当たり約800万円になる計算だ。

なぜ単純に割るのかが理解不能です。国債は借金ではないし、ましてや国民の借金ではない。むしろ発行するほど国民の所得が増える性質があります。謎の理論により危機感を煽るのはやめていただきたいです。

>政府の債務は国内総生産(GDP)の2・5倍を超え、戦費のために国債を乱発していた第2次世界大戦直後よりも高い水準だ。

生産力が落ち込んでいた終戦直後と比較するのは無意味ですし、読者の無駄な不安を煽るだけです。

>海外の中央銀行は金融緩和の縮小に動き始めており、日銀も今と同じレベルの緩和をずっと続けていけるかは分からない。

これに関してはそのとおりです。だからこそ、いま大胆な財政支出をしなければ国が傾き、国民はさらに貧困化してゆきます。

>国債の大量発行がこのまま続き、金利も動けば国の予算に占める国債の利払い・償還の割合が足元の2割強からさらに増え、その分必要な政策に回せるお金が減っていく。次の危機や大災害が起きた時に、財政を使って対応する力も相対的に落ちる。

だからこそ、いま大胆に財政支出し、公共インフラなどに投資して、国土を強靭化しなければなりません。

>高齢化で社会保障費も増え続け、いずれ増税は避けられないとの見方は有識者に強い。

その「有識者」は、本当に正しい知識、貨幣観を有している人たちなのでしょうか。国の財源は税金ではない。これはもはや主流の理論であり、理論だてて反論できる人はいないはずです。

>慶応大学の土居丈朗教授は、一定の節度を持った財政運営をすれば、困難とみられている政府の財政健全化目標の達成も不可能ではないとみる。「今回の補正を最後の置き土産に、財政再建の取り組みを進めるべきだ」と語る。

緊縮論者で有名な土居丈朗氏の言論を引用するあたり、この記事の意図が理解できます。

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