退職した技術者が語るホンダの問題 迫りくる末路 ~終焉は近い?就職して良い?~

【ホンダ】上司に気に入られないと会社人生が終わる

私がパワハラタイプの社員によく言われたのが、

「お前はセンスねえなあ。なんでそうなの?」

「うちの●●はすげえぞ。お前なんなの?」

でした。

例えば「お前はこの分野の経験が足りない」「知識が足りない」という指摘であれば事実に基づいています。対策も勉強もでき、それで改善できます。

しかし、「センスがない」というふわっとした罵倒は、「事実ベースでは示せないが心情として気に食わない」ということを表しているのでしょう。

上司も流石に「おめー気に食わねえな」とダイレクトな表現では悪評が立つため「センスがない」という言い換えを使ったのでしょう。

また、なんとなく、乱暴な言葉を使うのがホンダっぽいという意識があるように思います。これはこれで口調の部分だけ本田宗一郎をリスペクトしている現れかもしれません。

空気を読み上司に可愛がられるのが出世への近道。これは大企業あるあるです。もちろん聞き分けのいい部下を気に入るのは人の心理でもあります。しかし、ホンダではこういったことがとても顕著で、いじめにまで繋がったりもします。

私の上司は、会社に意見するタイプの人でした。会社を想い、改善を促し、正しいと思ったらそれを言う。

職場、従業員、会社に利することなら恐れずに提言する。そういった人でした。

彼がどうなったか。うつ病です。

後日聞いた話ですが、抗うつ薬の副作用でゲーゲー吐きながら会社に通っていたそうです。

そしてついに会社をやめ、いま何をされているかはわかりません。

また別の上司、先輩たちも、上に意見したのち別部署に異動したり、技術開発とは全く別の業務を担当することになりました。

更衣室へ向かうエレベーターに乗ると猛烈なめまいがする。その経験、わたしも共感します。

ホンダのロゴを見ると、今は本当に複雑な気分になります。

学生時代に憧れていたウイングマーク。どこまでも自由に、どこへだって行ける。その象徴の翼。

本田宗一郎の夢。歩んできた道。本当に憧れていました。

初めてバイクに乗ったとき、背中に翼が生えた心地でした。ひたすらバイクをいじり、走り、勉強し、旅に出ました。

いまそのロゴを見ると、職場を思い出し、上司、同僚、ひどい感情を思い出し、あれだけ好きだったバイクに複雑な思いをいだきます。

理系卒、本田宗一郎にあこがれて、世界を便利にする、人のために技術を振るう。世界をより良くする。新しい価値を生み出す。それをモットーに入社した人は多いでしょう。

そんな人材が鼻で笑われながらコピー取りや椅子運びをする。地獄です。

ただこれが一概に悪いこととは、必ずしも言えません。それで巨大な組織全体としてはうまく回っている部分があるからそうしているのでしょう。

給料をもらうサラリーマンなのだから、会社の求める働きをして成果物を出せ。子供じゃないんだから。お前はあまちゃんか。通用せんぞ。

それは本当にもっともなことで、許容できる範囲での我慢は、こういった企業では特に必要です。

しかし、こういった理不尽は組織の歪みを生じ、従業員のメンタルを疲弊させ、中長期的に内部から崩壊していくものではないかと思います。

かつて隆盛を極めたローマ帝国。

その繁栄の要因は、「誠実さ」「信仰心」「寛容さ」であったといいます。

本田宗一郎時代のホンダはもちろん体験していませんが、私が大好きだった本などで知る限り、それが確実にあったと想像ができます。

そしてそのローマ帝国が滅んだ理由は、それらを失ったこと。その結果として、理不尽な権力に対するクーデターとゲルマン帝国の侵攻を受け滅びました。

日産のような致命的なスキャンダルは(これを執筆時点では)まだありませんが、いずれホンダも同じ道をたどるのかもしれません。

ホンダに対するゲルマン帝国はテスラ?DIDI?

それともそもそも眼中に入ってない?

数年後、わかることでしょう。

ご参考

古代ローマに学ぶ、組織の繁栄に必要な2つのポイント https://corp.netprotections.com/thinkabout/2166/ #THINKABOUT

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